本研究所は、地域に根ざしかつグローバルな文化いわばグローカル文化を支える空間科学
について広範な研究を行います。早稲田大学と包括協定を結んでいるユネスコと協力し、方言や
祭りなどの地域に根ざした物産など地方文化をグローバル文化に結び
つける研究を行います。
具体的には、ヒトの知能の本質と身体的コミュニケーションの
メカニズムの研究を通じて、21世紀に到来が予測されている共創と共存を可能とす
る知能型社会の編成に向けて、その基礎理論を明らかにし、新しいディスプリンの確立を目
指します。基本的には、近年進歩の著しい脳科学の研究成果を踏まえ、
人間と空間と知の関係を解明し、人間の創造性を支援する社会(教育も含む)技術
や地域における知的クラスターの創出に向けた社会設計技術の開発を行います。
ユネスコの"New technology for culture"プログラムと連携して、「時がたてば消滅して
しまう人間活動のあらゆる様相」を後世に残そうという、現代版地球文書館 というべき研究を進め
ます。また、限られた伝送容量のネットワークを介して、文化遺産、
自然遺産の景観や音など、空間をあるがままに自然に伝送する研究を進めます。
学校、大学の教育空間が備えるべき環境条件を明らかにし、マルチメディアに対応した豊かな
心を育む、地域に根ざしたグローバルな教育環境の実現を目指した
研究を行います。また、空間と知的好奇心の関連に関する研究を行います。
先人たちが限られた技術環境で実現した貴重な文化財をただデジタル化して保存する最近の
風潮、いわゆるデジタルアーカイビングではなく、彫刻、絵画、文芸作品、出土品などの 文化財を最新の技術を駆
使して非接触、非破壊でそれらの三次元情報、
材質を読み取り保存します。いわばミクロなバーチャルリアリティ技術を確立します。また、
レコードやテープについてはその記録が元来持っていた信号を再生する手法を確立します。必要に
応じて博物館、美術館、学校等の利用に供するシステムを実現します。